陽電池とは

 太陽電池は次世代のクリーンなエネルギーとして比較的早くから注目されてきました。特に最近は家庭の太陽電池で発電した際の余計な電力を大手電力会社に販売する事が出来るようになり、また導入の際の補助金制度が充実するなど、一般家庭への浸透が始まりました。しかし太陽電池は他の発電方式に比べ未だコストが高く、一般に広く普及するためにはより低コスト・高効率の太陽電池が望まれています。

太陽電池の原理

 太陽電池は外界の光エネルギーを吸収して電力を発電する装置です。原理は次のようになります。@半導体が光を吸収します。Aこの際に価電子帯にある電子が伝導帯に励起させて大量の自由電子(と正孔)が生成されます。B生成(励起)された電子は半導体のpn接合による電界により素子の端(電極側)に引き寄せられます。Cここに回路を繋ぐと過剰な電子(と正孔)が回路に流れます。つまり電気として取り出すことになります。光吸収部分(セル)の材料により、結晶シリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池、アモルファスSi太陽電池、などに種類分けができます。
 現在、太陽電池の変換効率(入射光に対する最大出力電力)は化合物半導体で約36%、単結晶Siで約23%、多結晶Siで約18%です。変換効率の決定要因は次の5つがあります。@利用できる波長範囲がバンドギャップより短波長側の光に限られている。Aバンドギャップよりエネルギーの大きい光は熱(フォノン)となってしまう。B半導体表面で反射してしまう光や半導体中を透過してしまう(吸収しきれない)光がある。C半導体表面での損失。Dその他半導体中の電気抵抗や接続回路の非最適化等。太陽電池を設計する際はこれらの損失要因をすべて考慮する必要があります。

β-FeSi2による太陽電池

 太陽電池を実際に広く用いる場合、高効率であることも大切ですが、低コストで環境にやさしいという点も重要視されます。β-FeSi2はFeSiを原料とするため環境にやさしく、また光吸収計数が大きいため理論変換効率(損失要因の@とAのみを用いて計算)が低くても実際のデバイスは高効率になることが期待されています。(→β-FeSi2の吸収係数と他の材料との比較) 我々の研究室ではβ-FeSi2太陽電池実現を目指して基礎的な検討を行っています。既にFeとSiの組成比を変化させることにより伝導形(p形/n形)を制御することに成功しており(→Si/Fe比による伝導型制御)、今後高効率太陽電池セルを作製する予定でいます。

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