RDE法

実験

 結晶成長にはMBE装置を用い、蒸着源のBaはK-cellを加熱することによってSi基板に蒸着している。Baの蒸着速度は、水晶振動子により制御している。また、MBEチャンバー内の到達真空度はターボ分子ポンプとLN2シュラウドによって10^-9Torr前半であり、Baを蒸着中は10^-7Torr前半程度の高真空を維持している。実験に使用した基板はCz-Si(111)であり( =24-36cm・Ω、20x20x0.38mm^3)、Baの純度は3Nである。成長前処理としてRCA洗浄し保護酸化膜に覆われたSi基板をMBEチャンバーに導入し、サーマルクリーニングを850℃で30分間行うことで保護酸化膜を除去した。その後、基板温度を成長温度まで降温させ、Si(111)基板の清浄表面を表す7x7のストリークをRHEEDによって確認した。
 RDE成長では、BaSi2の結晶性は成長時の基板温度とBaの蒸着速度に依存する。はじめに、Baの蒸着レートを10nm/minと一定にした状態で基板温度を550-800℃の範囲で振って、結晶性や表面状態を調べた。このとき全ての試料の成長時間は20分間とした。次に、基板温度を650℃と一定にし、Baの蒸着レートを1-80nm/minと変化し、Ba蒸着レート依存性を調べた。成長後、結晶性はXRDとRHEEDで、表面状態はAFMを用いて評価した。

結果

 RDE法により、Si(111)基板上へ斜方晶BaSi2膜のエピタキシャル成長の条件を検討した。基板温度を600、650℃とし、Baの蒸着レートを10nm/minとし、20分間成長した時、膜厚約50nmで[100]配向の平坦なBaSi2膜がエピタキシャル成長した(図(a))。一方、基板温度を700-800℃として成長した試料では、[112],[013]配向等の微結晶が3次元成長してしまい膜状に成長しなかった(図(b)-(d))。次に、Baの蒸着レートを調べたところ、Baの蒸着レートを上げ過ぎるとBaSi2の配向性は[100]から外れ、多結晶化してしまうことが分かった。

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MBE法

実験

 結晶成長にはBaとSiを蒸着するためのK-cellを備えたMBE装置を用いている。実験に使用した基板はCz-Si(111)で(ρ=24-36cm・Ω、20×20×0.38mm)あり、蒸着に使用したBaの純度は3N、Siは10Nである。蒸着源のBaとSiはK-cellを加熱することによって蒸着し、蒸着速度は水晶振動子を用いて制御している。MBEチャンバーの到達真空度はターボ分子ポンプとLN2シュラウドによって10^-9Torr前半であり、BaとSiを蒸着中は10^-7Torr前半程度の高真空を維持している。成長前処理としてRCA洗浄し、サーマルクリーニングを850℃で30分間行うことで、Si(111)基板の清浄表面を表す7x7のストリークをRHEEDによって確認した。
 MBE成長は、下記のように行った。まず、Baの蒸着速度RBaを10 nm/min, 基板温度Tsを550℃とし、膜厚30nmのBaSi2膜をエピタキシャル成長しテンプレートとした。続いて、Ba原子とSi原子の蒸着比が1:2になるように、Ba, Siの蒸着レートをRba=1.2 nm/min, RSi=0.8 nm/minとし、成長温度を450−700℃の範囲で振って、20 分間MBE成長した。比較のため、テンプレートを用いずに、直接MBE成長した試料も作製した。
 成長後、結晶性と表面状態はX線回折法(XRD)で、表面状態は原子間力顕微鏡(AFM)を用いて評価した。

結果

 RDE法によるテンプレートを用いた、MBE法によるSi(111)基板上への成長によって、成長温度に関わらず[100]配向の高品質なBaSi2エピタキシャル膜を形成することが出来た(下図)。中でも、成長温度が600℃前後のときが結晶性、表面状態共に最良であった。 一方、Si基板上に直接成長した場合は[100]配向の膜にはなりにくいことが分かった。また、Pole figure測定より、BaSi2結晶のa軸はSi基板に垂直に揃って成長しており、また、Si基板に対して3回対称で成長していることが分かった。

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