この授業では、物質の磁気分極(Magnetic Polarization)の性質や役割について学びます。
物質に外部から電場や磁場がかかったとき、その応答として電気分極や磁気分極を生じます。その性質は材料や計測原理として幅広く利用される共に、物質の性質を理解する重要な役割を果たしています。
講義では、まず物質中の電場と磁場を復習して磁性体について学びます。
磁性と言う言葉は磁気的な性質という意味です。磁石で知られる強磁性体は物を引きつける不思議な物質として2000年以上前から人類に認識され、方位磁石としてその応用が始まりました。
近代に入り、インダクタンス材料として低周波から高周波まで幅広く利用されました。現代では半導体と共にエレクトロニクスを支える重要な材料(電子材料:磁気記録)や力学エネルギー変換に欠かせないモーター用永久磁石材料などに広範囲に利用されています。一方、材料だけでなく、NMR(核磁気共鳴)やMRI磁気診断などの計測手段としても人類に大きく貢献しています。
この講義では、まず電磁気学の延長として磁場と磁気分極を古典的な見方から復習し、磁気モーメントの本質的な姿である角運動量の量子論を学習します。物質の磁気的な性質を紹介した後、強磁性体の性質を紹介します。磁気共鳴の簡単な紹介のあと、最後に最新の話題を取り上げます。
教科書は指定せず、プリントを配布します。配布後順次pdfファイルでダウンロードできます。学内からのアクセスに制限します。
2016/2/10 更新 学内限定。
期末試験
日時:2016年2月15日(月) 5限目(予定)
教室:3A304
試験についての注意:
1:今年に限りノートおよび配付資料の持ち込みは可能です。
2: 数値を求める問題を出題する可能性があります。手計算でも解けるように小問を工夫しますが、なるべく電卓を持参してください。
3: 12/28の講義内容(資料10)は試験範囲に含めません。
資料ダウンロード(学内限定)
番号 | 2学期講義内容 | 日程 | 資料 |
1 | はじめに(授業内容) | 10/5 | 1.はじめに |
2 | 物質中の電場と磁場 | 10/13 | 2.物質中の電場と磁場 |
3 | 磁場磁束磁気モーメント | 10/19 | 3.磁場、磁束、磁気モーメント |
4 | スピンとパウリの原理 | 10/26 | 4.スピンとスピン角運動量 |
5 | 磁気モーメントと磁性 | 11/2 | 5.磁気モーメントと磁性 |
6 | 強磁性 | 11/16 | 6.強磁性の性質 |
7 | 強磁性体と磁気異方性-12/7 | 11/30 | 7.強磁性体と磁気異方性 |
8 | 磁気異方性 | 12/7 | 資料7(配付資料なし) |
9 | 磁化過程 | 12/14 | 8.磁化過程と超常磁性 |
10 | 超常磁性、新しい磁性 | 12/21 | 9.新しい磁性 |
11 | 磁気共鳴 | 12/28 | 10.メモリデバイス |
12 | 磁気共鳴1/19-25 | 1/19 | 11.磁気共鳴 |
13 | 磁性体と他の性質の相互作用 | 1/25 | 12.磁性体と他の性質の相互作用 |
14 | 磁性材料(磁性材料)1 | 2/1 | 13.磁性材料(硬質磁性材料) |
15 | 磁性材料(強磁性材料)2 | 2/8 | 14.磁性材料(軟磁性材料) |