「ESR法は信号が録れたら一人前、NMR法は信号が録れるのは当り前で、アーティフ
ァクトが見える様になったら一人前」と昔から言われています。NMR法は極めて有効
な測定手段ですが、これほどアーティファクトの入り込みやすい測定法もないと言っ
ていいでしょう。アーティファクトそのものは歓迎されるものではありませんが、ア
ーティファクトの解析は、i)NMRと言う物理現象の理解、ii) NMR法のさらなる活
用・開発、そして、iii) 装置のハードウエア・ソフトウエアの保守・管理に大変有
益であると思われます。
本講演では、演者が生物系試料の測定に際して遭遇した画像アーティファクトを、
i) 測定対象に因るもの、ii) 装置ハードウエアに因るもの、iii)装置ソフトウエア
に因るものについて、各々、致死的・有害・無害に分け、その成因と対策について紹
介します。