「高速磁気共鳴イメージング法を用いたダイナミックプロセスの多次元計測(Ⅰ)」


要旨


本研究は、MRIの応用において関心が高まりつつある、時間的に変化する系の撮像を行うためのシステム開発を目的として行った。まず、高速磁気共鳴イメージングを実現するために平面型高精度勾配コイルを作成した。次に勾配コイルが発生する勾配磁場の計測など、装置の性能や、撮像対象の緩和時間を定量的に評価し、それらに基づいて撮像パルスシーケンスを開発した。さらに、このシステムを用いて鶏卵の熱による変性・固化プロセスの撮像を行い、ダイナミックプロセスの撮像を実現した。撮像によって得られた画像を分析した結果、鶏卵の熱による変性・固化プロセスを確認することができた。また、本研究により、装置面での課題を明らかにし、ダイナミックな系の計測用MRIの、鶏卵だけでなく、あらゆる時間的に変化する撮像対象への応用に向けた展望が得られた。