「MR Fingerprintingの基礎検討」


要旨


従来のMRIの撮像法で定 量性を追求するには様々な制約があり、課題が多かった。しかし最近、一度の撮像で複数のパラメタを定量化できる核磁気共鳴指紋法(MRF)が提唱され、大きな期待が寄せられている。 だが現時点でMRFに関する報告例が少なく、また高磁場の限られた装置でしか実証され ていない。そこで本研究では、低磁場永久磁石MRIシステムに対しMRFが 適用可能であるかどうか検討を行った。MRFの定量性について議論し、MRFの利点や現時点での限界などを検討した。スピンエ コー法とMRFとを比較して、最適な励起数や画素数を調べた。また、撮像時間が結果に影響を 及ぼしており、最適な励起数・画素数は定量性と撮像時間のトレードオフで決まることがわかった。以上より、低磁場システムでもMRFは 適用可能であると結論した。