「9.4T縦型超伝導磁石MRIを用いた固体のイメージング」


要旨


臨床診断用のMRIはいわゆる液体を対象としていたが,近年,腱や骨などの生体内に含まれる固体のイメージングが活発に研究されている.そこで液体試料に最適化された9.4T縦型超伝導磁石MRIを用いて,固体のイメージングを行った.試料にはABS樹脂製のレゴブロック,木片,カエデを使用した.スピンエコー3Dプロジェクション法を用いて撮像を行い,エコータイムを1.5msまで短縮することが可能となった.データ収集法には等間隔サンプリングと均一サンプリングを用い,後者において測定時間の短縮を達成した.画像再構成には最近接点近似法,線形補間法,convolution法を用いて比較を行った.アーチファクトの点ではconvolution法が最も優れていたが,計算時間の長さが問題点として残った.今回は非シールド型勾配磁場コイルを使用したが,今後,シールド型コイルを使用することで,より短いエコータイムが実現できると思われる.