「縦型超伝導磁石用シムコイルシステムの開発」


要旨


本研究では,縦型超伝導磁石MRI用 の勾配磁場プローブおよび円筒型シムコイルシステムの開発を行い,その性能を評価した.通常,磁石が作る静磁場の空間分布は,周囲の環境 や試料自身が誘起する反磁場によって変化する.MRIにおいては,静磁場が不均一であると,核スピンの歳差運動の周波数にシフトが生じる.この結果,MR画像の信号欠損や画像歪みを引き起こす.そこで本研究では,この静磁場の不均一性を補正するために,静磁場分 布の2次の各項に対応したシムコイルシステムを開発し,静磁場均一性の向上を試みた.さらに,より高次の項まで柔軟 に対応できるマルチチャンネルシムコイルのシミュレーションと設計を行い,2次シムコイルとの比較を行った.