「超伝導磁石のための勾配磁場コイルの開発」


要旨


本研究では,最適化アルゴリズムを使用して縦型超伝導磁石用円筒型勾配磁場コ イルを 開発した.従来の研究では,代表的な勾配磁場コイルであるゴレイコイルの設計 に遺伝的 アルゴリズムを採用した例がある.しかし,同コイルは設計における自由度が少 なく,得 られる解が実装できる最適なものであるとはいい難い.そこで本研究では,ゴレ イコイル の一部を3 次ベジエ曲線で表現することで多自由度化し,これに伴う計算時間の 増大を抑 えるため,最適化アルゴリズムとして人工蜂コロニーアルゴリズムを採用した. これによ り,直径36mm の10%均一球領域と1 G/cm/A の勾配磁場効率を有するGx コイルを設計 した.撮像実験により,実装したコイルの勾配磁場効率は計算値より大幅に低く なること, 優れた磁場線形性を有することが認められた.さらに,コイルのスイッチング性 能に影響 する漏洩磁場を低減するため,Gz 用遮蔽コイルを同アルゴリズムで設計した.