「手指海綿骨微細構造計測用コンパクトMRIの開発」


要旨


骨粗鬆症の診断や,骨粗鬆症の薬剤治療に対する効果判定を行うために,海綿骨の微細構造計測が重要であることが知られている.ところが,これまで,このような計測は,全身用高磁場MRIと,特殊なRFコイルを用いて行われてきたため,診断装置としての普及には大きな問題があった.そこで,小型高磁場永久磁石(1.0T)と小型MRIコンソールを用いて,手指海綿骨を対象とした,骨微細構造計測用コンパクトMRIを開発した.また,本手法において,骨と骨髄の体積比を正確に求めるヒストグラム分離法を開発し,50名程度の健常被験者の計測を行い,本手法の有用性を確認した.また,長崎大学医学部歯学部付属病院にて,臨床試験を行い,骨粗鬆症の診断に有用であると示唆される結果を得た.