「小児骨年齢計測用MRIのための計算機支援診断ソフトウェアの開発」


要旨


MRIで骨年齢計測を行うためには,広い均一磁場を励起するRFプローブを用いてSNRの高い画像を得る必要がある.そこで本研究では,二種類のMRIに対して小児骨年齢計測用RFプローブの開発を行った.RFコイルは,感度の高いソレノイド型のコイルを用い,磁場均一化シミュレーションを行うことにより均一性の向上を目指した.これと単純ソレノイド型のコイルを比較することにより,性能の向上を確認した.しかし,これまではある程度経験に依存してRFプローブの開発を行っていたため,必ずしも最適なRFプローブの開発が行えていたとはいえない.そこで新たに電磁界解析シミュレーションソフトを導入してRFプローブの磁場解析を試みた.今後はこのシミュレーションをもとに,より最適なRFプローブの開発を行う必要がある.また,開発したRFプローブを用いて集団被験者計測を行った.二種類のMRI(MRI-IとMRI-II)で骨年齢計測を行い,比較した.その結果,MRI-IIの方が小型(135kg)で撮像領域が狭いものの,SNR,Image Qualityともに高く,今後の骨年齢計測の可能性を示せた.この結果を受けて,従来用いてきた骨年齢判定法であるRUS法に対して少ない骨で骨年齢を判定する手法を提案した.