「MRIにおける勾配磁場コイルの最適化設計手法の研究」


要旨


MRIには、勾配磁場コイルと呼ばれる重要なユニットがあり、現在主流であるTarget Field法と呼ばれる勾配磁場コイルの設計方法には、電流密度を逆問題的に計算することに起因する種々の問題が存在する。これらの問題を解決するため、コイルパターンを直接最適化する設計手法がいくつか提案されてきた。本研究では,そのような、コイルパターンの直接最適化における新しい設計手法を提案する。この手法では、より複雑なコイル形状を再現可能な表現を用い、コイル設計の条件を厳格に扱った上でコイルパターンの最適化を行う。この手法を用いて開口径88.3mmの縦型超電伝導磁石を用いたMRIシステム用の勾配磁場コイルの設計・実装実験を行い、実際に勾配磁場コイルを設計可能であることを確かめた。また、Target Field法との比較を行い、本手法の有用性を示した。