「9.4T 縦型超伝導磁石MRI における超高速イメージング」


要旨


9.4テスラ縦型超伝導磁石(室温開口径54mm)に,ワンショット型超高速イメージングの代表例であるEcho Planar Imaging(EPI)とSpiral Scanを実装した.この実装のため,まず,二次シムコイルを作成し,磁石中心の直径9mmの水平断層において,約0.1ppmの静磁場均一性を達成した.また,勾配磁場コイルとして,内径が32mmの非シールド型と内径が24mmのシールド型勾配磁場を使用した.EPIの実装においては,レファレンススキャンを用いることにより,双方の勾配磁場コイルにおいても,明瞭な画像を得ることができた.Spiral Scanにおいて,64~32ショットの場合,シールド型勾配磁場コイルを用いた場合には,アーチファクトのない画像を得ることができたが,非シールド型勾配磁場コイルを用いた場合,渦電流に伴うB0シフトの影響により,画素強度が不均一となるアーチファクトが観測された.以上より,Spiral Scanの実装においては,シールド型勾配磁場コイルを用いることが望ましく,静磁場均一性は,信号観測時間にも依存するが,EPIよりも1桁程度高いものが要求されると結論した.