「MR microimagingによる果実内部構造計測手法の開発とその応用」


要旨


本研究では高磁場MRIを用い,植物果実を対象としてMR microimagingを行った.果実内部構造の描出にはT1強調撮像法が適していることが明らかとなった.適用例として,ウメ・モモ・リンゴ・ニホンナシの維管束構造に注目し,これらを明瞭に可視化し,その体積を定量的に評価した.その結果,果実の成長と維管束構造および体積の関係を明らかにした.また,種無しカキの種子発育不全や,オウトウのうるみ症の観察などを行い,新しい知見を得た.これらによりMRIは果実内部構造の研究に非常に有用であることを示した.