「マウス・ラット用コンパクトMRIの開発」


要旨


近年、マウスやラットなどに代表される小動物を用いたMRI計測が盛んに行われており、多くの生物学的成果が得られている。このような研究に用いられるMRIは、高磁場(2.0~11.7T)超伝導磁石を用いたシステムであるが、設置面積が広い(~20㎡)、非常に高価(~数億円)、寒剤などのランニングコストがかかる、磁場強度が臨床用のものと大きく異なる、などの理由から、研究室レベルでの購入・使用は難しく、広い普及には至っていない。 本研究では、設置面積が小さく、メンテナンスも不要で、臨床用MRIと同程度の静磁場強度を持つ永久磁石磁気回路を用いたマウス・ラット用コンパクトMRIを開発し、システム評価と、マウスとラットの撮像を行った。また、脳が造影されるMn2+を注入したマウスと脳腫瘍を移植したマウスを撮像し、本システムの生物学研究における有用性を評価した。