「MRIにおけるシングルチャンネルシムコイルの開発」


要旨


MRI では,静磁場の不均一性を補正するために,シミングと呼ばれる操作が行われる.しかしながら,小型磁石のシミングにおいては,狭い磁極間ギャップを原因とした様々な技術的困難が存在する.この問題を解決するために,本研究では,小型永久磁石磁石用のシングルチャンネルシムコイルの設計手法を提案する.この手法では,複数の円電流の重ね合わせと流れ関数法を用いて設計する.また,2.0T 永久磁石用にシングルチャンネルシムコイルの 設計及び製作を行い,静磁場の補正実験を行った.その結果,評価領域(直径 20mm 球領域)内において,静磁場均一性の PP(peak to peak) 値は,53ppm から 24ppm まで改善した.この実験を通して,不均一な静磁場を持った小型磁石に対するシングルチャンネルシムコイルの有用性を示した.