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踵骨骨密度計測用コンパクトMRIの開発
~MRIを用いた正確で安全な骨密度計測~

骨粗鬆症とは,加齢などに伴い骨量が減少し,日常生活中における軽負荷でさえも骨折しやすい状態になってしまう病気であり,現在,この骨粗鬆症に罹患している患者は国内で1000万人以上もいると言われています.この骨粗髭症の診断やスクリーニングには骨密度計測が非常に重要とされており,現在では,超音波やX線を用いた骨密度計測装置が広く用いられています.しかしながら,超音波装置(QUS法)では,計測される音速,減衰率と骨密度との関係性が不明確である事,また,X線を用いた装置(DXA法)では,低線量ですが被曝があるといった欠点があります.
そこで我々は,計測される物理量と骨密度との関係性が明確であり,かつ被曝の危険性が全く無い,MRIを用いた骨密度計測装置の開発を行なっています.本研究では,骨折リスクが高い大腿骨における骨密度との相関が大きく,骨密度の変化を早期に反映すると言われる踵骨を対象に3Dでの骨密度計測を行なっています.本研究では,低分解能MRI法(low-resolution MRI method)という方法を採用しています.この方法では,まず海綿骨の微細構造よりも大きな画素サイズで踵骨を三次元撮像し,その画素強度を定量化することによって,踵骨中に占める骨髄の体積率である海綿骨骨髄体積率(TMVF)を求めます.そして,このTMVF値から,TMVFと相補的な関係にあり,MRIで計測する骨密度に相当する海綿骨体積率(TBVF)を求めています(TBVF = 1-TMVF).

2011年と2012年の本学学園祭において,計160名の被験者の方にご協力いただき,MRI,超音波の両計測手法を用いた踵骨骨密度計測を行いました.現在,このように大量の被験者を対象としたMRIによる三次元的な骨密度分布を計測した報告例は世界的にもなく,超音波計測による骨密度との有意な相関も得られ,その有用性を示すことができました.

担当者:近藤大貴

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