「MRIにおける縦型超伝導磁石のための勾配磁場プローブの開発」


要旨


本研究では、直径20mmの試料に対応した超伝導磁石用の勾配磁場プローブを開発した。勾配磁場コイルの設計にはGx、Gyコイルにターゲットフィールド法を用い、Gzコイルは遺伝的アルゴリズムで最適化した設計を用いた。また、RFコイルには直径2mmの被覆銅線を用いた4.5ターンのソレノイド型を採用し、浮遊容量を減少させるために3.0pFのチップキャパシタを用いてRFコイルを2分割した。開発したプローブと鞍型RFコイルを使用した商用のプローブを用いてMR撮像を行い、ファントム画像において本研究で開発したプローブは、商用プローブと比較し約2.5倍のSNRを達成した。また幾何学ファントムを用いた撮像により、線形勾配磁場領域が14mm球程度確保されていることを確認した。さらに生体サンプルを用いた撮像において、数時間の撮像時間で(75μm)3の画素サイズで3D撮像ができたことにより、本プローブの有用性を確認した。