「縦型超伝導磁石のための鉛直開口勾配磁場プローブの開発」


要旨


本研究では,直径26mm程度のサンプルに対応した縦型超伝導磁石用の鉛直開口勾配磁場プローブの開発を行った.縦型超伝導磁石において,ソレノイドコイルと平板型勾配磁場プローブを用いたNMR信号の信号対雑音比(Signal to Noise Ratio : SNR)が鉛直開口勾配磁場プローブと比較して良いという利点があるが,試料をプローブ側面から挿入するため,横にすることが出来ない保存液に浸された化学固定試料などを計測出来ず,試料の交換を容易に行えないという欠点がある.そこで勾配磁場コイルにゴレイコイル(Golay coil)とMaxwell pairコイルを用い,RF(radio frequency)コイルには鞍型コイル(Saddle shaped coil)を用いることで鉛直開口勾配磁場プローブでの撮像を実現した.また本研究では,開発した勾配磁場プローブを用いて,3D格子ファントムを撮像し,線形な勾配磁場領域が15mm球程度であることを確認した.