「コンパクトMRIにおける高周波プローブ最適化手法の研究」


要旨


本研究では、高周波(RF)プローブを製作し、ソレノイド型コイルと、コイルの巻き線間隔を遺伝的アルゴリズム(GA)によって最適化した円筒型コイルを用いて、コイルの性能評価、高周波磁場分布計測、撮像したMR画像による比較を行った。コイルの性能評価では、コイルの性能を示すQ値を測定し、Q値とノイズの相関関係を確認した。また、高周波磁場分布を計測することによって、GAを用いたコイルでは空間内に均一な高周波磁場を発生させることを確認することができた。さらに、MR画像の比較により、GAコイルでは、均一な高周波磁場が画像内の信号強度を均一にし、画像端の信号強度の低下を防ぐことができた。このことは、MR画像を定量評価するという点で非常に有意義である。 また、さらなる研究として、球形のサンプルに適した形状である球型のRFコイルを、GAを用い最適化し、製作した。これにより、コイルの空間内で均一かつ高い強度の高周波磁場を発生させ、MR画像における、均一な信号強度と高いSNRを取得することがができた。これにより、高周波プローブの最適化の究明に向けた第一歩を踏み出すことができた。