「MRマイクロスコピーのための勾配磁場プローブの開発」


要旨


本研究では、直径10mm程度のサンプルに対応したMRマイクロスコピーのための勾配磁場プローブの開発を行った。空間分解能の向上に伴って画像の信号対雑音比(signal to noise ratio:SNR)が低くなるMRマイクロスコピーでは、強い静磁場と高感度のRFコイルの使用が望ましいとされている。そこで、本研究では、静磁場強度4.7Tの縦型超伝導磁石を用い、RFコイルにはソレノイドコイルを用いることで高分解能撮像を実現した。なお、今回開発したプローブの勾配磁場コイルの設計には、x,y軸方向においてターゲットフィールド法を、z軸方向において遺伝的アルゴリズムで最適化した設計を採用し、直径10mmのサンプルに最適化した。サンプルとして主に幼齢マウス固定脳を用い、その結果から幼齢マウス脳の内部構造を明瞭に可視化することに成功した。これにより、本研究で開発した勾配磁場プローブが幼齢マウス脳の3次元構造の解析に有用であることを示した。