「磁気共鳴イメージングにおける静磁場ドリフトの影響の研究」

要旨

本研究では、核磁気共鳴映像法において、温度変化によって永久磁石の静磁場が時間的に微小変動する場合に、画像に現れるアーチファクトの定性的かつ定量的な解析を計算機シミュレーションにより行った。二次元画像のパルスシーケンスにはスピンエコー法および勾配エコー法を選択し、位相エンコードの度に一様な静磁場変動が生じると仮定した。その結果、スピンエコー法の場合は読取り方向に重心が移動するとともに、全体が正方対称にぼやけが生じたことがわかり、勾配エコー法では上記の現象以外に位相エンコード方向にも顕著な重心移動が見られた。また、point spread function 等を用いたそれらの偽造の定量的な評価と、三次元勾配エコー法を用いた場合のシミュレーションも行った。以上の結果より、静磁場変動がNMR画像に対し一種の空間フィルターとして作用すると結論した。