「MRIにおける超短エコータイム法の研究」


要旨


短 い横緩和時間T2を もつ物質のイメージングには超短パルスを用い,極めて短いエコー時間での撮像が必要となるが,通常の撮像法では実現困難である.そこで本 研究では,T2が 短い組織や物質のイメージングを可能とする,ゼロエコータイム(ZTE) 法とPointwise Encoding Time reduction with Radial Acquisition(PETRA)法の基礎検討を行った.はじめに,再構成過程における課題を実 験的,理論的に検討した.さらにPETRAに よって画像アーチファクトを改善できるかどうかを理論的に検証した.リグリッディング法ではコンボリューション法が最も適していること, ラジアル収集スピンエコー法では位相補正や動径方向のオーバーサンプリングを行うことでアーチファクトが軽減されること,ZTE法 は本実験装置への実装が難しいことがわかった.これらを踏まえてPETRA法 の検証を行い,k空 間の原点付近のデータ欠損を補完することで画像アーチファクトを改善できる可能性があることを確認した.