「NMR/MRIによる梨果実のNMRパラメタ計測と微細構造の可視化」


要旨


本研究では,我々が開発したモバイルMRIを用いて,梨果実(幸水)のNMRパラメタの計測を行った.屋外での植物計測に特化したモバイルMRIの特徴を活かし,屋外で梨果実の成長に伴うNMRパラメタの変化を長期的に計測した.これにより,果実重量とNMRパラメタの関係を明らかにした.その結果,梨果実のNMRパラメタは表面緩和により決定し,果実細胞の液胞サイズを反映していることがわかった.また,高磁場のMRIを用いて,梨果実の高分解能イメージングを行った.4.74 T縦型超伝導磁石MRIおよび1 T永久磁石MRIを用いて梨果実の高分解能イメージングを行い,果実の成長に伴う維管束組織の構造の変化やNMRパラメタの空間分布を明らかにした.