「液状化モデル系のMRIによる可視化手法の研究」


要旨


 地盤液状化の知識普及用に開発された液状化モデル系の物理的挙動を解明するために,高速スピンエコー法(時間分解能0.5秒)を用いて,高速MR撮像を行った.液状化モデル系は,直径0.20mmと直径0.05mmのガラスビーズを,500ミリリットルのペットボトルの中に水と共に入れ,よく混合させた後に静置し,下から,0.20mmガラスビーズ層,0.05mmガラスビーズ層,水と3層に積層させたものである.このペットボトルに,地震に相当するインパクトを外部から与えたところ,まず,下のガラスビーズ層が液状化してその上部に薄い水の層を形成し,その後,この水の層が上のガラスビーズ層との密度逆転現象により不安定化し,噴砂現象を示す状況が明瞭に可視化された.これにより,この系では,国立防災研究所の納口氏により提唱されていた,レイリー・テーラー不安定性が起きているものと結論した.