「スポーツ選手用コンパクトMRIの開発」


要旨


 スポーツ傷害は、プロ選手にとっては、職を失う恐れのある深刻な問題である。一般の選手にとっても楽しみを失う、もしくは一生その痛みと付き合っていかなくてはならなくなってしまうかもしれないような重大な問題である。しかもスポーツ傷害は、治療を行っても完全に回復するという保証は無い。そのため、スポーツ傷害においては、予防が非常に重要となってくる。ところが、現状では手軽かつ日常的に診断できる装置は存在しない。全身用MRI装置は、大病院にしかなく、検査コストも高いため、日常的な診断に用いるのは困難である。現在多くの医療施設で使われているX線診断装置は、放射線被曝のため、日常的に使用するのは不可能であり、間接などの抽出能が劣っている。そこで、手軽かつ日常的な診断に使用できる、スポーツ選手用コンパクトMRI装置の開発を行った。そして、システム評価実験と、実際に傷害を持っている被験者の撮像・診断から、本システムの有用性を確認した。