「MRIにおける高周波パルスの最適化に関する研究」


要旨


 縦磁化の回復時間を利用して,時間分割方式で異なるスライス面を次々に二次元撮像するマルチスライス法において,核磁化の収束や反転に使用する180°パルスの良好な周波数選択特性を得ることは,高い画質を有するMR画像を取得する上で極めて重要な課題である.これまで,いくつかの手法により,この課題に対する回答が提案されてきたが,本研究では,より多様な条件下での解を見出すことができる遺伝的アルゴリズム(GA)を採用することにより,この回答を求めることを試みた.その結果,通常の仕様のPCを用いて数時間以内で,従来提案されていた180°パルスと同等以上の性能を有する180°パルスを作成することができた.また,このパルスを,数値シミュレーションと撮像実験により評価し,その有用性を実証した.