「ヒト胚子標本における磁気共鳴撮像手法の最適化の研究」


要旨


本研究では,まずヒト胚子標本のMRマイクロスコープ撮像における画像コントラストを最適化するためにDual Scan法を用いて各種スピンエコー画像を撮像し,非線形回帰法を用い て,ヒト胚子標本のNMRパラメタ(緩和時間,拡散係数,プロトン密度)分布を計測した.得られたNMRパラメタ間の相関係数を求め,各パラメタ間に強い 相関があることを見出した.この結果,ヒト胚子標本のMRマイクロスコープ撮像にはT1強調撮像が第1選択であり,T2強調撮像,拡散強調画像は補助的に 使うべきであると結論した.また,得られたNMRパラメタを用いて指定した組織間の画像コントラストが最大になるNMRパラメタを決定する手法の開発も 行った.以上により,ヒト胚子標本撮像を最適化するための手法を確立した.