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骨粗鬆症診断用MRI             

 骨粗鬆症は、加齢などにより骨密度が減少する疾患で、我が国では1,000万人程度の患者が存在する。また、骨粗鬆症は、高齢者が寝たきりになる原因の上位を占める、大腿骨頸部骨折の素因と言われ、この克服は国民的課題である。このためには、早期にスクリーニング等を行って、骨密度減少に対する予防(食事、運動)などを 行うことが極めて重要である。

 骨粗鬆症のスクリーニングに関しては、二種類の中心エネルギーを持つX線の透過測定装置(DXA)や、超音波の音速や強度減衰の測定装置(QUS)が、広く用いられている。しかしながら、DXAには放射線被曝の問題と、面積密度しか求められないという欠点がある。また超音波装置は、骨密度計測が不可能であり、「骨質」を反映すると言われる音速や減衰に関しても、それらがどのような物理的実体に対応しているかは、必ずしも明らかではない。よって繰り返し安全に体積骨密度が計測できる可能性を有するMRIは、骨粗鬆症診断装置(骨量計測装置)として大いに期待される。

 MRIは、体積骨密度を計測できる、現在では唯一の実用的方法であり、全身用MRIにより、研究的なレベルで計測が試みられている。しかしながら、骨粗鬆症の治療効果の判定やスクリーニングを考えた場合、全身用MRIは、設置面積、設置コスト(検査コスト)、操作の容易さなどの点で実用的ではなく、このような場合には、専用の診断装置が望まれる。本研究では、以上の背景の下に、世界で初めて、踵骨(calcaneus)を撮像対象とした、コンパクトな骨粗鬆症診断用MRIを開発した。

 Fig.1に示すのは、2001年4月に開発した第1号機、Fig.2は、2001年7月に開発した第2号機の画像である。Fig.3は、3D勾配エコー法と2Dスピン・エコー法でそれぞれ撮像した踵の断層像である。Fig.4は、2001年10月に、筑波大学学園祭にて計測した、108人の女性ボランティアの骨密度(厳密には骨体積率)である。年齢とともに骨密度が緩やかに減少する結果が得られた.Fig.5ha,2002年5月~6月にかけて測定した、22人の女性ボランティアの踵骨における定量的超音波計測法によるstiffnessと、MRI計測による骨密度(厳密には骨体積率)の相関である。
このように、R2=0.5409と、非常に高い相関が得られた。


Fig.1.第1号機


Fig.2.第2号機

かかと かかと
LEFT:Cross-section from 3D data-set(slice thickness 1mm,TR=100ms,TE=10ms)

RIGHT:2D cross-section(slice thickness 15mm, TR=1200ms, TE=12ms)


Fig.4.年齢に対する骨密度の変化(女性ボランティア108人の計測データ)



FIg.5.踵骨における定量的超音波法によるstiffnessとMRIによる骨密度(女性ボランティア22人の計測データ)

開発協力:住友特殊金属(株)、(株)城南電子研究所、(株)エム・アール・テクノロジー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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