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佐野研究室では現在、以下の研究テーマを扱っています
- Coulomb Interaction
- Soft Error
- Quantum Transport
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Coulomb Interaction
集積化に向けた大きな未解決問題として、ナノスケール素子での特性揺らぎが注目されている。これら特性揺らぎの物理的起源は、電流に関与する電子や基板に含まれるイオン化不純物が少数となり、これらの電荷の作る微視的なポテンシャル揺らぎによって電流パスが素子ごとにばらつくことにある。しかしながらクーロン相互作用は原点で無限大に発散し、かつ無限遠まで届く長距離力であるため粒子シミュレーションへの導入は非常に困難であり、ポテンシャル揺らぎを正確にシミュレーションに反映させることは今でも大きな課題となっている。
上図に概念的に示すように、電子輸送におけるクーロン・ポテンシャルの役割は、電子の集団運動に寄与する長距離効果とランダムな熱運動に寄与する短距離効果に切り分けて考えることができる。本研究では完全なクーロン相互作用を短距離成分と長距離成分に分け、シミュレーション・パラメータの複雑な最適化のもとで高精度な導入を行った。その結果、クーロン相互作用が顕著になる高濃度領域まで統一的に輸送解析できる3次元モンテカルロ・シミュレータの構築に成功した。 -
Soft Error
半導体素子のハイロー構造におけるソフトエラー(外部から半導体内部に入射される粒子の影響で発生する電荷がおこす不良現象)の影響を調べ、 ハイロー構造のハイドープ層を厚くすることによりソフトエラーに 起因する収集電荷量を軽減することができることをシミュレーションにより確認した。
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Quantum Transport