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第8章 H.22 いろいろなプログラムを作ってみよう

8.1 課題

再帰呼び出しを用いたプログラムを作成する. (プログラム)
標準出力の出力をファイルに保存するプログラムを作成せよ. (プログラム, 出力したファイル)
標準入力から入力し, 操作・演算した結果を出力するプログラムを作成せよ. (プログラム, 出力したファイル)

それぞれ括弧内を提出すること. 写しただけでなく, 自分で機能を考えてそれを実現するプログラムを作成すること.

8.2 再帰

「8-3 再帰」について理解する.(List 8-6, List 8-7) 再帰を利用したプログラムを作成する。例えば
- $\displaystyle \sum_{i=1}^n i = 1 + 2 + 3 + \cdots + n$
- を求めるプログラム。
- を求めるプログラム。　
- $\displaystyle \sum_{i=1}^{N} \frac{x^n}{n!}$ を求めるプログラム.

8.3 標準入力, 標準出力とリダイレクト

8.3.1 標準出力への出力をファイルに保存する.

例えば以下のようなプログラムを作成してみましょう. これは, 標準出力に出力するプログラムである.

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main(void)
{
	int i;

	for(i=0; i<50; i++)
		printf("%d,%d\n", i, i*i);

	return EXIT_SUCCESS;
}

「標準出力」(STDard Output)への出力は, 特に指定しない場合には画面に出力される.

この結果をファイルに保存するためには, リダイレクトを用いる. そのためには, 後述するように端末の中でプログラムを実行する.

$ ./a.out > abc.csv

先頭の$は, 入力待ちであることを示すために画面に表示されるプロンプトである. この部分は環境により様々な形式になる. それ以降の部分を入力する.
このうち, ./a.outの部分は作成した実行ファイル名である. Windowsでは, プログラム名の前の./は必要なく, またファイル名の最後に拡張子として .exe が付く.
次の (矢印) により, これまで画面に表示されていた出力の出力先をファイルに変更する. 次に指定した abc.csv というファイルにその内容が書き込まれる.
ファイルの内容はエディタで開いて確かめることができる. また more, lv, less, cat などのコマンドを用いることができる. 例えば
```
$ more abc.csv
```
また, ここで挙げたプログラムで出力した結果は, Excel や OpenOffice の Calc などにテキスト(CSV; Comma-Separated Values)として読み込むことにより, グラフ化できる.

8.3.2 端末の中でコマンドを実行する.

Windowsでは「スタート」 $\Rightarrow$ 「アクセサリ」から「コマンドプロンプト」を開く. Linuxでは, GNOME端末, kterm, xterm などを開く.
実行ファイルのあるディレクトリ(フォルダ)に移動する.
- 現在のディレクトリ内のファイルのリストは, Windows では dir, LinxuなどのUNIXでは ls により得られる.
```
$ ls
```
```
$ dir
```
- Windows の場合は, 目的とするファイルが存在するドライブに予め移動しておく. Z: ドライブに移動するには
```
$ Z:
```
- ディレクトリ(フォルダ)の移動は cd (change directory) を用いる. 現在のディレクトリの中にfolderAがあり, その中に移動する場合は,
```
$ cd folderA
```
  一つ上(親)のディレクトリに移動する場合は, 親のディレクトリを表す..という特殊な名前を用いる.
```
$ cd ..
```
目的のファイルが存在するフォルダまで cd を繰り返しディレクトリを変更する.
目的とする実行ファイルがあるディレクトリに移動した後に, 以下のようにしてプログラムを実行する. Windowsの場合
```
$ abc.exe
```
UNIX の場合
```
$ ./a.out
```
出力結果をファイルに保存する場合は,
Windowsの場合
```
$ abc.exe > abc.csv
```
UNIX の場合
```
$ ./a.out > abc.csv
```
出力先のファイルが既に存在する場合は, 上書きされてしまうので十分注意すること.

KDevelop の場合は,

実行ファイルを作成したのち, 下に表示されているタブの中から Konsoleを選択すると Unix の端末と同等のウィンドウが開く.
初めは, プロジェクトの一番上のディレクトリが現在のディレクトリになっているので, その中の debug のさらに中に src というディレクトリがあるので, そこまで移動する.
```
~/hello$ cd debug
~/hello/debug$ cd src
```
ls を実行すると, 現在のディレクトリの中にあるファイルのファイル名のリストが得られる.
```
~/hello/debug/src$ ls
Makefile hello hello.o
```
実行ファイルであることを表すためにファイル名の後ろにアスタリスク(*)が表示されている場合もあるが *はファイル名には含まれないので注意すること.
src の中に実行ファイル(次の例では hello)が作成されていれば, そのファイル名の前に ./を付けて, 実行する.
```
~/hello/debug/src$ ./hello
```
出力先の変更は, Unix の場合と同じようにできる.
```
~/hello/debug/src$ ./hello > abc.csv
```

8.4 標準入力からの読み込み

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main(void)
{
	int returned_value, x, y;
	
	while(1){
		returned_value = scanf("%d%d", &x, &y);
		if(returned_value == EOF)
			break;
		printf("%d X %d = %d\n", x, y, x*y);
	}
	return EXIT_SUCCESS;
}

ここで EOFは入力が終了したことを意味する整数である.

例えば次のように実行できる.

$./a.out
3 4
3 X 4 = 13
8 7
8 X 7 = 56
^Z

Windows では ^Z Unix では ^D により入力を終了できる. ここで, ^Z はコントロールキー (Ctrl) を押しながら Zを押すことを意味する.

このうち「3 4」の行と「8 7」の行は, キーボードからの入力である.

予め次のようなデータのファイルを作成しておくと, ファイルから入力できる.

3 4
8 7

このファイルのファイル名をabc.datとすると次のように実行できる. ここで矢印(＜)の向きが, 標準出力の出力先を変更する時とは, 逆であることに注意すること.

$ ./a.out < abc.dat
3 X 4 = 12
8 X 9 = 72

上のプログラムは慣用的に次のように書かれる.

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

int main(void)
{
	int  x, y;
	
	while ( scanf("%d%d", &x, &y) != EOF ) {
		printf("%d X %d = %d\n", x, y, x*y);
	}
	return EXIT_SUCCESS;
}

char 型の入力については, 教科書L8-11を参照のこと.

ここまでの例では数値をコンマで区切って入力できない. フィールドをコンマで区切って入力する場合は, scanf の書式の対応する部分にコンマ(,) を記述する.

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>

// フィールドをコンマで区切って入力する場合は,
// scanf の書式の対応する部分に コンマ(,) を記述する.
int main(void)
{
	int  x, y;
	
	while ( scanf("%d,%d", &x, &y) != EOF ) {
		printf("%d X %d = %d\n", x, y, x*y);
	}
	return EXIT_SUCCESS;
}