Nano Technology & Nano Science 筑波大学 物理工学系 村上・牧村・深田研究室
村上研究室 研究内容
“ナノ秒レーザー” 進化したナノ構造体の創製

 簡便かつ多様性に富むナノ秒レーザーアブレーション法を用いることにより、進化した各種ナノ構造──0次元:Siナノ微粒子(ナノ結晶、ナノドット)、1次元:Siナノ細線、ナノチューブ等──の創製を目指す。


レーザーアブレーション

レーザーアブレーション  レーザーアブレーションは、レーザーの発振波長域の拡大、超短パルス化、高ピークエネルギー化などの近年の目覚しい進展を背景にして、レーザーの産業応用や医学応用において、また理化学研究の面で最も注目されてきているレーザー応用技術である。

 レーザー光を固体表面に照射した際、レーザー光の波長、エネルギー密度、パルス幅、ターゲットの吸収係数等によって固体表面で起こる現象は大きく異なる。 照射エネルギー密度が小さいうちはターゲット表面の吸着種が脱離するが、エネルギー密度が増加するに従いターゲット表面層の電子励起を経て、ターゲットの溶融が起こり、構造原子、分子、イオン、クラスター等が爆発的に放出される。 この現象をレーザーアブレーションという。レーザーアブレーション薄膜堆積法は、多くの優れた特徴をもっている。 第一に、光が真空系の外部から入ってくるため薄膜の成長に最も適した雰囲気ガスの元で成長を行うことができる。 第二に、パルス数やエネルギーをコントロールすることによりアブレーションの効率を変化させることができる。 第三に難揮発性、高融点の物質にも適用できることが挙げられる。

 レーザーアブレーション法でSiナノ微粒子を作製した場合、クリーンな環境下で試料作製が可能なため、porous Siとは異なり原理上不純物の混入の少ないSiナノ微結晶が作製できる。


Copyright (C) 2004 Murakami, Makimura, Uchida Lab., University of Tsukuba.