高速撮像のためのnon-Cartesian imaging法の開発

MRI の撮像時間の短縮を目指し,我々は撮像におけるデータ収集法について研究を行っています.

 

MRI装置では一般的に,周波数空間を直交的にデータ収集する Cartesian imaging が用いられています.いっぽう,非直交的にデータ収集を行うnon-Cartesian imaging は,撮像時間の短縮が可能であり,体動アーチファクトの軽減や,短い緩和時間をもつ組織の描出などにも優れています.しかし,non-Cartesian imagingは磁場不均一性や渦電流など,ハードウェアの不完全性の影響を顕著に受けやすいといった欠点があります.

 

これに対し,我々はハードウェアの最適化ではなく,MRIシステムの出力の予測を行うことで画像再構成時に補正を行うこととしました.たとえば,1.5T超電導磁石MRIシステム向けに,ハードウェアの不完全性に起因する磁場の不均一性や変動をリアルタイムで計測できるfield camera systemの開発を行っています.また,0.2T永久磁石MRIシステムにおいても,勾配磁場コイルのインパルス応答関数(Gradient Impulse Response Function : GIRF)の計測を行うことでMRIシステムの特性を調べています.これらの計測とnon-Cartesian imagingであるradial scanやspiral scanと組み合わせることで,撮像の高速化に挑戦しています.

 

担当:小林,中尾
文責:中尾

 

 

 

 

 


ラジアル収集にて撮像(左手首

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